見えないところで守られる文化財たち

はじめに

はじめまして、学生ライターのよーよーとりあです!記事を閲覧いただきありがとうございます!私たちの初めての取材と記事作成ですので、ぜひ最後までご覧ください!

今回私たちは、群馬県立歴史博物館を訪れ、学芸員の方にお話を伺いました。当時は企画展の「伊勢神宮と群馬」(R7.7.12~8.31)も開催されており、企画展の見どころや、展示の見せ方の工夫や伝えたいこと、展示物の収集や管理方法など、様々なことを聞くことができました。この記事では、そういった博物館の裏側などについて紹介していきます。

企画展「伊勢神宮と群馬」の見どころ

今回の企画展の見どころの一つは、伊勢神宮から借りた「御装束神宝おんしょうぞくしんぽう御神宝ごしんぽう)」を群馬で見ることができる点です。普段は神宮で大切に保管され、貴重な宝物が並ぶため、なかなかない機会になっています。

刀剣や鏡といった御神宝には、人間国宝の非常に高度な製作技術が使われているところも見どころです。他にも、織物など様々な品な展示されています。

展示の見せ方の工夫点などは?

展示では、来場者数がじっくり見られるように空間をゆったり取り、見やすさや分かりやすさに工夫が施されています。パネル説明文は立って読める約300字程度にまとめ、必要な情報を厳選して簡潔に伝えるようにしています。展示物の配置では、見やすい角度や順番を意識し、目立つ作品を効果的に配置したり、古いものから新しいものへと流れが分かるように並べるなど、全体のバランスや理解のしやすさを重視しています。

展示を通して伝えたいこと

今回の展示では、伊勢神宮の式年遷宮しきねんせんぐうと、それに用いられる「御神宝」を通して、伝統技術の継承や自然素材の大切さを伝えることを目的としています。式年遷宮は約1300年続く行事で、20年ごとに建物や御神宝を新しく作り直すことで、技術の伝承・素材の維持・神の力の更新を行っています。

また、御神宝に使われる絹糸の主要生産地として、群馬県が関わっていることから、群馬の養蚕文化の重要性や継承の必要性も伝えたいとしています。養蚕農家が減少する中で、伝統を守り次世代へつなげる意義を感じてもらうことが展示の狙いです。

展示物の収集や管理方法

博物館の展示物は、決まった方法で集められ、厳しく管理されています。資料の収集方法は主に4つで、譲り受ける「寄贈」、所有権はそのまま個人や社寺から預かる「寄託きたく」、博物館が買い取る「購入」、学芸員が現地で集める「採集」があります。

集めた資料の多くは、展示室ではなく温度や湿度が管理された「収蔵庫」で保管されます。湿度は約55%に保たれ、カビや乾燥、虫による劣化を防ぐ環境が整えられています。受け入れた資料には、名前や由来などを記録した台帳を作り、番号を付けて管理します。

収蔵庫は学芸員のみが入れる場所で、鍵は二重ロック、入退室の記録も残るなど安全管理も徹底されています。このように博物館は、地域の大切な資料を未来へ受け継ぐため、収集から保管まで細かく配慮しながら管理しています。

おわりに

今回の企画展では、普段見ることのできない貴重な御神宝やその背後にある技術と暮らしの営みを間近で感じられる機会でした。資料の収集や保存、展示の工夫を知ることで、単に「きれいだな」というだけでなく、伝統を守り未来へとつなぐ博物館の役割を実感できました。今後も常設展示に加え、年2~4回の企画展や特別展が開催されていきます。ぜひ足を運んで、自分の目で確かめてみてください。


ライター

よーよー

ふゆ

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